キッチンを、アトリエに。Somaéが大切にしていること

キッチンを、アトリエに。Somaéが大切にしていること

浅郷剛志

Somaéは、刃物ブランドFEDECAから生まれたキッチン道具のブランドです。

FEDECAが掲げているミッションは、
「刃物を通じて、生きる力を取り戻す。」

そしてビジョンは、
「刃物で遊ぶ文化をつくる」こと。

かつて刃物は、暮らしのあらゆる場面で使われていました。

けれど、便利な道具やサービスが増えた今、自分の手で何かをつくる機会は少しずつ減っています。

だからこそ、ただ「刃物は大切です」と伝えるだけでは、人の心にはなかなか届きません。

大切なのは、刃物を使うことそのものを楽しめるきっかけをつくること。

焚き火で薪を割る。
木を削って何かを作る。
自分の手で道具を使いこなす。

FEDECAは、アウトドアやクラフトの世界で、そんな刃物を使う楽しさを届けてきました。

2015年のブランド誕生から、商品開発やものづくりの仕組みを変えながら、新しい刃物の価値を模索してきた10年余り。その歩みは、Somaéの誕生にもつながっています。

▶ 刃物を選ぶ理由を、つくってきた。FEDECAの10年と、これから。

けれど、私たちが考える「遊び」は、アウトドアやクラフトの中だけにあるものではありません。

もっと身近な、毎日の暮らしの中にもあるはずです。

料理をすること。
食卓を整えること。
自分の手で、暮らしを少しずつ豊かにしていくこと。

生活を、自分の手で飾ることも、ひとつの「遊び」なのではないでしょうか。

Somaéは、そんな考えから生まれました。


生活を、自分の手で飾る


19世紀イギリスのデザイナーであり思想家でもあったウィリアム・モリスは、1886年の講演『
The Aims of Art(芸術の目的)』の中で、労働と芸術、そして人間の幸福について考えました。

機械の発達によって、生活のために強いられる労働から解放され、 人々が自ら望むことに時間を使えるようになる。

そこで人々は、自分が本当にしたいことを見いだし、 自ら進んで手を動かすようになる。

そして、日常生活の細部に関心を寄せ、 自分たちの暮らしを美しく豊かにしていくことに、 喜びを見いだす。

モリスは、そんな未来を思い描きました。

生活を、自分の手で飾ること。
私たちは、そこに人が本来楽しめる「仕事」の姿があると感じています。

便利になることは、もちろん素晴らしいことです。
けれど、便利さによって生まれた時間を、何に使うのか。

すべてを誰かに任せるのではなく、自分の手で何かをつくってみる。

出来上がったものだけでなく、その過程そのものを楽しむ。

それは、私たちが考える「遊び」にも通じています。

Somaéが目指す景色も、その先にあります。


台所は、暮らしをつくる場所

毎日の台所は、ただ料理をするためだけの場所ではありません。

野菜を切る。
果物をむく。
パンにバターを塗る。
お弁当の準備をする。
夕食の下ごしらえをする。

そんな何気ない手の動きの中に、暮らしを自分で整えていく楽しさがあります。

料理を義務としてこなすだけではなく、自分の手で暮らしをつくる時間として楽しむこと。

Somaéが目指しているのは、毎日のキッチンを少しだけ楽しく、少しだけ特別な場所にすることです。

アトリエとは、自分の手を動かし、何かを生み出す場所。

そこでは、出来上がったものだけでなく、つくる時間そのものにも喜びがあります。

毎日の料理も、そんな時間になったら。

まるでアトリエのように、手を動かすことが楽しくなる台所をつくりたい。

それが、Somaéの道具づくりの根っこにある考え方です。


小さな包丁が、日常を変える

Somaéの中心にあるのは、毎日の暮らしの中で使いやすい小さな包丁です。

大きな包丁を出すほどではないけれど、ちょっと切りたい。
朝食の果物を切りたい。
お弁当の具材を少しだけ整えたい。
夕食の下ごしらえを、さっと済ませたい。

そんな場面は、日々の台所にたくさんあります。

小さな包丁は、特別な料理のためだけの道具ではありません。

むしろ、毎日の中で何度も手に取りたくなる道具です。

小さいからこそ、気軽に使える。
気軽に使えるからこそ、台所に立つ時間が少し楽しくなる。

刃物を使うことが、特別なことではなく、日常に心地よく馴染んでいく。

Somaéは、そんなきっかけになる道具を届けたいと考えています。


便利なだけではなく、手にしたくなる道具を

FEDECAが大切にしているのは、ただ便利な道具をつくることではありません。

思わず手に取りたくなること。
使ってみたいと思えること。
これで何かを作ってみたいと感じられること。

Somaéも、その考え方を受け継いでいます。

だからこそ、機能だけでなく、見た目や質感も大切にします。
キッチンに置いてあるだけで少し気分が上がること。
手に取ったときに、木のあたたかさを感じられること。
使うたびに、自分の道具になっていく感覚があること。

料理は毎日のことだからこそ、道具が少し変わるだけで、台所に立つ気持ちも変わります。

Somaéが届けたいのは、ただ切れる包丁ではありません。
毎日の料理が少し楽しくなること。
使い込むほど、手になじむこと。
道具と長く付き合う楽しさまで、一緒に届けたいと考えています。


木の表情を、暮らしの中に

Somaéが大切にしているもうひとつのことは、木の表情です。

木目の流れ。
色の濃淡。
手に触れたときのあたたかさ。

木の道具には、ひとつとして同じものがない面白さがあります。

使う人の手になじみ、時間とともに少しずつ表情が変わっていく。
それは、ただ消費される道具とは違う魅力です。

森の恵みを、毎日の暮らしの中に取り入れる。
自然の素材を、台所という身近な場所で感じる。

Somaéは、そんな小さな豊かさを大切にしています。


買って終わりではなく、長く付き合う

道具は、使っていくうちに少しずつ変化します。

切れ味が落ちることもあります。
傷がつくこともあります。
木の色味が変わることもあります。

けれど、それは終わりではありません。

切れ味が落ちたら、研ぎ直す。
必要があれば、直しながら使い続ける。
使い込むほどに手になじみ、少しずつ自分の道具になっていく。

Somaéは、買って終わりの道具ではなく、長く付き合える道具を届けたいと考えています。


キッチンを、アトリエに。

刃物を使うことは、決して特別な人だけのものではありません。

料理人のように技術を極める人だけでなく、
毎日の台所に立つ人も、
朝食をつくる人も、
お弁当を準備する人も、
家族のために果物を切る人も。

誰もが、刃物を使う楽しさに触れることができます。

キッチンを、アトリエに。

それは、台所を特別な場所に飾り立てるという意味ではありません。
毎日の台所を、自分の手で暮らしをつくる場所として楽しむこと。

料理をすることも、暮らしを整えることも、自分の手で何かを生み出すことも。

そこに喜びを見いだせるなら、それも立派な「遊び」です。

FEDECAがアウトドアやクラフトの世界で届けてきた、刃物を使う楽しさ。Somaéは、その楽しさを、毎日のキッチンへと広げていきます。

小さな包丁と木の道具を通じて、
手を動かす楽しさを、毎日の暮らしの中へ。

刃物が日常に心地よく馴染み、
使うたびに少し気持ちが上がる。

そんな台所の風景を、Somaéはつくっていきたいと考えています。

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